◎某月某日 カセットケースにROMAN CASSETTEの文字。開いてみると、「ロマン・カセット・第2集」とあり、なんと短編小説のカセット版。責任編集 有楽出版社/製作 テープフレンド/販売 アポロン音楽工業とあります。
 内容は10本セット作品・作家解説の小冊子つき。各AB面に短編小説1編がステレオ録音(収録時間45〜60分)されています。
ちなみに収録作品は
@菊村到
「殺人者は孤独」
「声がからみつく」
A安部牧郎
「抱擁カレンダー」
「十月の蜜月」
B泉大八
「五日妻」
「セクサー(女修理屋)」
C宇能鴻一郎
「エッチな学院」
「下宿の奥さん」
D川内宗薫
「空閨慰安」
「道具にされた男」
E大田経子
「憎しみのバラード」
「ろすと・らぶ」
F笹沢佐保
「うんざり血痕」
「顔の中の顔」
G富島健夫
「男女の回数」
「理想の女友達」
H勝目梓
「蜜のパートナー」
「怨み節」
I勝目梓
「コール・ボーイ」
「巡り合わせ」
です。これ第2集ですから、第1集もあるんですね。

◎読書の作法もいろいろですね。入手して『黒岩重吾長篇全集』の第1巻「背徳のメス/西成山王ホテル」をパラパラしてたら、月報と一緒に、メモ便箋2枚ありました。確認してみると
   9ページ上段 -5(20)行  体の隈々 → 体の隅々
  33ページ下段 12行 せにそ』うじゃ→ くせに』そうじゃ
  270ページ上段 21行 ビールと付出を→ ビールと突出を
  275ページ下段 17行      鳴咽 → 嗚咽
と32個もの誤用・誤記・誤植のチェック・アウトでした。
 ○全20巻『黒岩重吾長篇全集』の最終巻の第20巻「西成海道ホテル/新説信た太狐/紅蓮の女王」には月報と一緒に、小片があります。第7巻のタイトルに誤記があり、[箱・カバーに誤植]ということで、取り替えの[お知らせ]なのでした。
 ○最終巻の第20巻収録の「紅蓮の女王」は配本の1回〜19回まで月報に連載されたもので、結末を加筆して急遽、最終巻に収録された作品です。
◎某古書店にて三島由紀夫の処女作『花ざかりの森』を入手。ラッキーなことに、並単行本価格でした。早速に置付けを確認。なるほど応急に手当した著者略歴の貼紙小紙では大正十四年生になってますけど、この小紙の下に、同じ体裁で大正四年生の誤印刷があるんですね。剥がしてみょうかしら。

◎書棚を整理していたら、懐かしいカセット・テープが出てきました。三島由紀夫事件当夜のラジオPM7:00のニュースを録音しておいたものです。ニュース後には佐伯彰一・草柳大蔵他が集い、生々しい感慨を語っています。裏面に、事件ドキュメント「東部方面総監部11月25日正午」という30分の特別番組の録音もありました。当時は、レコード、ソノシート類も数点入手しましたが、まだまだ、サウンド全盛の時代でしたね。今ではレコード針のカートリッジの入手も面倒になりました。
 三島由紀夫といえば、自作自演の映画「憂国」のビデオも入手。同名原作をモノクロにて映画化した30分ほどの短編です。同じ主演のエンターティメント映画「からっ風野郎」の三島由紀夫とは異なった、タイトル自筆、テーマ切腹、入魂の一作でした。
 ◎映画「憂国」ですが、やっとDVD化されましたね。東宝からのセットDVD2枚組で、本編ディスクには撮影台本、特典ディスクの方には、山口湖の三島由紀夫文学館でビデオ放映されている「三島由紀夫の世界」も収録されています。ツール映画祭出品時に三島由紀夫が配布した封筒入り便箋も複製されました。(DVD2枚・小冊子40頁)
 ◎映画「憂国」DVDは同時に新潮社からも『三島由紀夫全集』の別巻として出ています。【原作・製作・脚色・監督・主演の全てを三島自身がつとめた戦慄の映画「憂国」。三十数年にわたって封印されてきた幻の映像がいま甦る。貴重な図版、独占初公開資料を多数収めたブックレット添付。(DVD1枚・小冊子68頁・月報20頁)】が宣伝文句です。
 ◎新潮社の『三島由紀夫全集』では既に第41巻「音声」の2004年9月の後追い出版ありますが、書籍と同じ体裁のケースにCD7枚のみが収まり、月報も付きました。収録内容は発刊当初の目録とは少々異なります。CD解説に添付の写真は、CDには収録のない浅野晃「天と海」朗読の際の写真です。
 CD内容は
@「わが友ヒットラー(朗読)」第1幕
A「わが友ヒットラー(朗読)」第2幕・第3幕
B「椿説弓張月(朗読)」
C「わが国の自主防衛について(講演)」
D「悪の華-歌舞伎(講演)」
 「英霊の声(朗読)」
 「起て!紅の若き獅子たち(合唱)」
 「からつ風野郎(歌唱)」
E「青春を語る」
F「私はいかにして日本の作家となったか(英語講演)」
です。
 ◎「天と海」の朗読はLPレコード(タクト電機)にあります。また、事件直後『図書新聞』に2回に渡り掲載された「三島由紀夫最後の言葉」三島由紀夫VS古林尚は新潮社よりカセット化されています。

◎「音の出る雑誌」といっても、カセットではありません。月刊「朝日ソノラマ」(1959年12月創刊)では、ソシートがページ綴じになりました。、綴じがルーズリーフなので、冊子のまま、半おり状態で、プレーヤーにのせ再生します。第4号には、ソノ・ベースボール、「プロ野球、全日本軍対新人軍」のオールスター戦の架空実況放送、ドキュメンタリーでは乃木将軍、広瀬中佐、スターリン、与謝野晶子の実声、3号では2・26事件、2号では東条英機の実声、「旅へのいざない、月世界へ・・」とバラエティに富んだ趣向です。
◎江戸川乱歩編集の探偵小説雑誌「宝石」を入手。昭和35年の4月号〜7月号の4冊揃いでした。6月号には予定をオーバーして連載最終回の乱歩随筆「探偵小説四十年」のが「探偵小説三十五年」としてあつたり、7月号には植草甚一のコラムがあったりして楽しめますが、4月号には何と、当時の雑誌読者がシオリとしてつかったハサミの入った鉄道乗車券がありました。東海道線経由・東京都区内→大阪市内の普通乗車券ですが、どういういきさつで未回収のまま残されたものか、いかにもミステリー専門誌らしく、オマケまで謎つきなのです。
◎某古書店にて「ある夢想家の手帳から 1」沼正三を入手。パラパラしてたら、表見開きにサインありました。少々びっくり。だって沼正三って、あの「家畜人ヤプー」の著者ですもの。代理人・天野哲夫をスポークスマンにして、正体を伏せているんですからね。あっ、そういえば、その天野氏が数年前のエッセイ集で、沼正三はすでに亡くなったなんて公表してましたね。また天野氏の「異食的作家論」芳賀書店、S48年刊には意味深にも「日本人とユダヤ人」のイザヤ・ペンダサン(山本七平)と代理人対談がありました。《「家畜人ヤプー」の覆面作家はどちら?》なんて記事(昭和57年10月2日、読売新聞夕刊)も妙でした。「ある夢想家の手帳から」シリーズ、最初の都市出版社版では新書サイズでしたよ。
◎今日、サンリオ文庫はあまり見かけません。先日、古書店でジャリ「馬的思考」を入手。表紙折返しの著書紹介には驚嘆です。1893年に生まれたアルフレッド・ジャリという作家は超早熟児だったようです。
◎昭和27年のゴールデン・ウィークです。電車の座席に腰かけていた「中央公論」の読者が上野駅で下車します。それから、その真新しい雑誌を手に、鈴本演芸場で落語や漫談を楽しんだんですね。その出し物は・・・・。某月某日、古書店にありました。
 「中央公論」のバックナンバーを入手。昭和27年4月25日発行で≪春季文藝特集号≫なんです。パラパラしてたら、ページの間にチラシありました。開いてみると、。上野・鈴本演藝場5月1日〜5月10日の番組表なんです。もとの雑誌所有者が栞かわり挟んだものでしょう。演舞場の番組表もバラエティに富んでいねけど、雑誌の方もいいですね。
 〇古雑誌は当時の風情を偲ばせてくれますね。「劇と映画/THE PLAY & MOVIE」国際情報社の1巻2号を入手。表紙の裏面からもわかりますが、映画と演劇いっしょのグラビア雑誌です。この号≪大震災号≫大正12年11月の刊行でした。編集記によると創刊号のあとの2号が掲載記事もある関東大震災で大幅に遅れたようです。

◎某月某日 上野陽一「能率学者の旅日記」プラトン社、大正14年刊を入手。1921より22年にかけての欧米旅行記です。前書きによると大阪府立産業能率研究所では能率的見地から、わが国でも将来は洋書のように左横書き、カナ活字がベストと、意気込んでいたようです。この旅行記の活字でも、横書きに適したカナ活字を用意しっちゃってますから。献呈サインだってアルファベットなんです。

◎某月某日 H古書店で文庫棚をながめてたら、岩波文庫のトマス・ハーディ『緑の木陰』阿部知二訳あります。手にしてタイトル・ページをめくるとエンピツ素描の美人画ありました。よく見たら奥付けページ前にも、別のあります。可愛らしいので買いました。初版昭和11年11月30日発行の昭和13年11月30日第五刷/定価40銭でした。古書店では、これといった探書なくても、愉しい本に出会えます。
◎某月某日 H古書店にて中古レコード。タイトルは「過去との遭遇」日本コロンビア(WX7020)です。早速、針をのせると、
織田信長/豊臣秀吉/徳川家康/芳村真理(これ比較用)/ベートーベン/リンカーン/マンモス/縄文人/インカ人/幾松/坂本竜馬/モナリザ/三億円犯人/吉良上野介/浅野内匠頭/宮本武蔵/シーザー/聖徳太子/板垣退助/西郷隆盛/夏目漱石/与謝野晶子/武田信玄/
と次々に歴史上の人物達の語りかけです。  モンタジュ・ヴェイスの権威者・鈴木松美氏がデーター化した愉しいレコードです。1978年10月プレスです。
 著書もあり「音の犯罪捜査官・声紋鑑定の事件簿」徳間書店1994年刊です。
 〇上記では、音質を重視したモンタジュでしたが、音韻考証を重視した復元レコードもありましたっけ。「紫式部・源氏物語の平安朝日本語復元による朗読/夕顔・須磨」を思い出します。これも日本コロンビア(JX29)で1972年3月プレスです。言語監修・金田一春彦/作品監修・池田弥三郎/朗読・関弘子。音韻考証にて《「源氏物語」の本文を紫式部がしゃべったと思われるとおりに実現》してみせせます。こんなニュアンスで当時しゃべってたのかなぁ。
「夕顔」より。
「須磨」より。
 〇変なレコードありますね。「夢のスーパーカー・レース」VICTOR(SJX8070)1978年のプレスです。 説明を引用しますと
《このレコードは画期的なレコードです!!。このレコードは、レコードでゲームを競えるというまったく新しい遊びで、世界中の子供たちに大きな話題を呼んでいます。普通のレコードには入り口が一ケ所しかありませんが、このレコードには10ケ所の入り口があります。どの入り口に針が入るか、きわめて運命的で、それがゲームのおもしろさを高め、君を興奮のルツボにたたき込みます。》
注意事項@レースの結果をよく注意して聞いてください。結果をもう一度くり返して聞くことは不可能です。
注意事項Aこのレコードを使用して金銭の授受を行うこと、法律により処罰されますのでご注意ください。
 ということですから、注意してレコード表面をみたら、中心に向かう十本の溝が確認できました。
なんてたって普通、レコードの溝は一本ですからね。あっ、両面で二本ですね。

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